stem cell

幹細胞とは

再生医療で用いられる細胞は「幹細胞」です。
幹細胞は、わたしたちの体を作る様々な細胞を作り出す能力と自分とまったく同じ能力を持った細胞に分裂することができるという能力を持つ細胞です。
損傷した部分の性質や機能をまるでコピー機のように分化・複製し失った機能を回復させていきます。

01 幹細胞の特徴

  • 自己複製能力(Self-Renewal) : 幹細胞は同じ形態と能力を持つ幹細胞を作り出すことが可能です
  • 分化能力(Differentiation) : 幹細胞が人体の必要により構造及び機能が特殊化される現象で、分化していない状態で存在してい
    た幹細胞が人体の必要な他の組織に変化する能力を持っています
  • ホーミング効果(Homing Effect) : 幹細胞を静脈内投与すると、損傷を負った部位へ幹細胞が自ら到達する能力を持っています

02 幹細胞の機能

  • 傷の治癒 : 損傷した細胞を再生
  • 分化機能 : 損傷した細胞に分化し、正常細胞へ再生
  • 周辺分泌物信号 : コラーゲン、ホルモン等の成長因子を促進し、人体内の組織を改善
  • 免疫調節 : 免疫関連臓器の機能を正常化し、免疫調節
  • 死滅細胞防止 : 人体内の細胞の死滅を防止
  • 血管新生による血液の供給 : 損傷した血管を再生し、正常に血液が供給できるようにする

03 幹細胞の種類

  • 胚芽幹細胞 (Embryonic Stem Cell) : 卵子と精子が受精され14日が経っていない胚芽期の幹細胞で、全ての種類の細胞や組織に成長することができます
  • 成体幹細胞(Adult Stem) : 人体の様々な組織に存在する未分化状態の細胞で、骨髄、脂肪、臍帯血等から得られ、必要な組織に分化します
  • 逆分化幹細胞(Induced Pluripotent Stem) : 完全に成長した特定の体細胞の遺伝子を操作し、細胞の分化を逆分化させて作った幹細胞です

胚性幹細胞はすべての種類の細胞に分化が可能です。
また、脂肪、臍帯血、骨髄などから抽出する成体幹細胞は、倫理的問題と癌発病の危険なく安全に利用できます。
その中でも脂肪幹細胞は、他の成体幹細胞に比べて多量の細胞抽出が可能な点をはじめ、多くの利点を持ちます。

簡単な脂肪採取によって少量の脂肪組織から多量に抽出できる脂肪幹細胞は、免疫学的問題がなく再生医学の研究および治療剤の開発に非常に理想的です。特に、腹、尻、太ももなどから抽出した脂肪から中間葉幹細胞(Mesenchymal Stem Cell) が最も多く得られます。